古川商工会議所中期ビジョン2020

古川商工会議所中期ビジョン2020策定にあたって

    

 

未曽有の大災害をもたらした東日本大震災から10年、東北に住む私たちは、国内外から寄せられた物心両面の大きな支援と国の強力な財政出動を基盤として、官民の英知を結集し、復興の槌音を絶やすことなく邁進してまいりました。これからも、災害の記憶を風化させることなく、10年はあくまで通過点ととらえ、今後も被災企業の自立を支えるとともに、持続可能な地域づくりに向け、交流人口の拡大など地域経済の復興・再生・発展を目指す取り組みを進めていくことが重要であります。

また、新型コロナウイルス感染症が世界規模で拡大し、非製造業種の苦境、個人消費の悪化と雇用不安が広がっています。反面、自動車や5Gの需要拡大により製造業は急回復するなど、二極化の状態にあります。この状況で浮き彫りになった国内のデジタル化の遅れや一極集中による脆弱性を解消するため、国と地方が一体となってデジタル社会の形成を目指し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を浸透させ、あらゆる情報を敏感に捉えながら、変えるべきものは積極的に対応することも必要となっています。

政府は、温暖化ガスの排出量ゼロをめざした「カーボンニュートラル」の2050年までの達成を掲げました。コロナ危機・気候変動問題などの解決の方向性は、SDGs(持続可能な開発目標)とも一致しており、企業の取り組みが新たなビジネスチャンスとなり、脱炭素社会・循環型経済の実現をも目指すことになります。

本市では、連携と協働による復興モデルを目指して、中心市街地復興まちづくり事業に取り組み、図書館「来楽里ホール」・「道の駅おおさき」・子育て支援拠点施設「わいわいキッズ大崎」に続き、現在、本事業の核となる市役所本庁舎建設事業、古川七日町西地区再開発事業が進められており、新たな拠点づくりと都市機能充実の推進に期待が寄せられているところです。

「会社が世のため人のために存在する」というSDGsの考え方は、「日本資本主義の父」「日本商工会議所の父」である渋沢栄一翁の「道徳経済合一説」などの理念と通じており、まさに商工会議所の活動理念そのものであります。そして、半年遅れで発表させていただきました「中期ビジョン2020」は、地域政策委員会を中心に、理念「会員のための、そして、会員と共に 地域のためになる商工会議所を目指して」のもと、未来に向けて「一人ひとりが実りのある地域へ」を目指して、誰一人取り残すことなく、持続可能で豊かな生活基盤の創造につながる行動計画を積極的に展開するための指針として策定しております。

古川商工会議所は、会員である商工業者の議論の場となり、地域の活性化推進の先頭に立って活動し、地域創生の担い手としての役割を果たしていきたいと考えます。

今後も地域総合経済団体として行政等関係団体と連携を図り、商工業者の期待を地域の総意として提言活動、商工業振興、中心市街地活性化等に積極的に取り組みます。大崎・古川が、再生・発展への力の礎となり、宮城・東北で光り輝く誇れる地域とすべく、関係各位の更なるご支援・ご協力をお願い申し上げます。

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